夏祭り・一人語り
※ ※ ※
「いつもはね、ダメだって言われてたんですよ。
でもその年は親父が。
病院で泣かなかったからご褒美だって。
偉かったからな、でも母ちゃんには内緒だぞ、ってね。
嬉しかったなぁ…結局食べ切れなかったけど
家帰ったら2人とも唇真っ赤だから
…内緒も何も、ねぇ?
父ちゃん、母ちゃんに叱られながら
こっち向いて舌出すんですよ「バレちゃった〜」って
真っ赤な舌。
もう笑っちゃって。
しまいには母ちゃんも笑い出して…
―…子供心に、仕事で行けなかった
母ちゃんまで楽しそうで良かったなぁ
ああ、夏祭りっていいなぁ、って思ったんです」
大人になって。
夏祭りの夜
語って聞かせるイルカさんの巻。
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